旧東青山駅
三重県のある山の中に悲しい過去を持つ廃駅とトンネルが眠っている。
その駅の名前は旧東青山駅といい、近鉄大阪線が複線化する前の昭和50年まで営業されていた。
この駅から、”ブレーキの効かない列車”が意図せず発車してしまった。
列車は速度を上げ続け、その先の総谷トンネル付近で脱線、横転。そして単線ゆえに反対側から来た列車と正面衝突してしまう。
死者22名、重軽傷者288名を出す大惨事となってしまった。
1971年(昭和46年)の出来事である。
アクセスは非常に悪い。ただでさえ人里離れた山の中に位置しているにも関わらず、あと少しといったところで道が崩落しているのだ。
崩落した道
駅にたどり着くには、眼下の崖に怯えながら急斜面の山肌を登る必要があり、登山慣れしていない人にとっては体力的にも精神的にも厳しい物件である。
崩落した先の道には、ホームだけになってしまった旧東青山駅が、役目を終えて眠りについていた。
山間部のため、駅の両端にはトンネルの入り口が見える。
前述の通り、ホーム以外の遺構は少ない。散策もほどほどに、今回の目的であった旧東青山変電所を目指すため、大阪方面へと登山を続けた。(続く)
0コメント